教育目標
平成不況、リストラ、終身雇用制崩壊、現在新聞等を賑わせている言葉はどれも暗いものばかりが目立ちます。バブル時代が終わり、今はまさに低成長時代しかも過去の価値観が崩壊し、新しい価値観を求めて社会が流動化する時代を迎えています。年功序列・終身雇用制が崩れ、これからは実績、才能、技術にもとづく評価が成される時代となります。私ども医療事務学院が専門としている医療の世界でも同じような変化が訪れています。
医業が社会に果たす役割は大変重要なものであることは過去も現在も、そして未来も変わりありませんが、医療機関も企業のひとつには違いなく、社会変化の影響を受けずにはすみません。当然医療機関の求める人材も社会の変動と共に変わってきています。高齢化社会、医療器械の発達に伴う設備投資増などに起因する医療費の増大は国の財政を圧迫し、医療費の抑制は国家的急務となっております。こういった環境下で、ある意味では今まで甘やかされてきた病院の経営は一般企業並みの努力を求められています。医者あまりの時代を迎え、現代は優秀で誠実な医師や医療機関を患者が選ぶ時代なのです。
私どもでは、常に現代を見つめ、社会のニーズに合った人材の育成に努めてまいりました。今、医療機関が求められているのは、確かな技術と、病院経営を取り巻く環境を見通せる目を持ち、これからさらに変動していくであろう社会環境に柔軟に対応していく力を持った優秀なスタッフなのです。これには特別な才能が必要なのではありません。個人個人の持っているそれぞれの才能を磨き、自己研鑚すること、広く知識を吸収することが大切なのです。私達はそのお手伝いをさせていただき、あるいはその方法を教えてさしあげることが使命だと考えております。
『医は仁術』と昔から申しますが、今も昔も医の世界の根本は思いやり、愛情、あるいは仁の心なのです。これは医者だけではなく、医療機関に勤める職員全員の基本だと思います。インフォームドコンセント(協調のために話し合う)も医師と患者のみならずスタッフ全員に然るべきものです。他人に対する思いやりや愛情を持った豊かな人間性を育むこと、これは当学院の基本的な教育理念です。社会がどう変動しても、この理念だけは変わりません。
時代に合った真のスペシャリストを育て、豊かな人間性を育むこと、これが私ども医療事務学院のふたつの大きな柱です。 皆様の豊かな才能と人間性を本学院で磨いていただき、社会に貢献できる人材として巣立っていかれることを、我々職員一同願っております。